## 破産と免責 ##

破産というととてもマイナスイメージが伴うのですが実はとてもすごい制度です。
破産手続は破産する人や会社の財産を裁判所が選んだ破産管財人がお金にかえて債権者に公平に分配する手続です。
破産するに至るくらいですので分配金は債権の数%がせいぜいでゼロのときも少なくないです。分配が最終目的ですので破産手続はもともと債権者のための制度といえますが,個人の破産手続には続きがあります。
それは免責手続です。
分配できたとしても多くのケースは配当率は数%足らずでたっぷり借金が残ります。会社等の法人は分配を終えて破産手続が終了すれば消滅します。
ところが法人ではない生きている生の人間の人生は破産手続の終了と共に終わりません。終わることはなく生き続けます。
借金を抱えたまま生きていくのは大変です。
免責手続はその借金を免除するかどうかを判断します。裁判所が認めれば税金等の公租公課など一部の例外はありますが借金を支払う法的責任から解放されます。債権者から見るとひどい制度ですが,これにより破産者には再チャレンジの機会が与えられます。
破産の際には換価するほどの価値がない身の回りのものはともかくとして,ほぼすべての価値ある財産をいったん手放す必要があり,職業制限等のデメリットもあります。ですが多額の負債を抱える方には是非検討していただきたい手続です。
(2012年10月10日の投稿を加筆して掲載)