小説医療裁判

小説 医療裁判

ある野球少年の熱中症事件

小説 医療裁判―ある野球少年の熱中症事件

小説 医療裁判―ある野球少年の熱中症事件

を読みました。

これ,かなりの良書です。

新人弁護士が友人弁護士の代わりに行った法律相談で

医療過誤事件に直面。

とまどいながら一歩ずつ事件に取り組んでいく。

という筋書きなんですが

良書のゆえんはその教育的効果の高さです。

有名な医療過誤判例のポイントが

主人公が参加する勉強会のなかで解説されてます。

また医療過誤事件に対する弁護士のイロハを

事案を通して的確に教えてくれます。

のみならず,この本は主張,立証における

法律構成の駆け引きっていうのかな,

民事裁判一般に共通する駆け引きをリアルに再現しています。

依頼者に対する距離感の取り方にも気を配り

本当によくできています。

主張,立証の内容もだいたい読めば分かるようになっていて

記録のサマリーを読んでいる感覚にもなります。

それでいて読み物として成立しているからね。