## 公共用財産の時効取得 ##

水路や法面などの公共用財産は原則として時効取得の対象とはなりません。
ですから河川敷の土地を占拠して数十年野菜を作っても不法占拠のままです。
しかし,公共用財産が長年の間,公の目的に共用されることなく放置され,公共用財産としての形態,機能をまったく喪失した場合には時効取得が成立することがあります。
その上に平穏かつ公然と占有が開始され,特に公の目的が害されるような事情も発生せず,もはやその物を公共用財産として維持しなければならないすべき理由がなくなったと評価される場合,その土地については黙示的に公用が廃止されたものとして取得時効の対象となります。
注意点としては前記基準に適合する客観的状況は自主占有開始の時点までに存在しなければならないということです。

参考(最高裁S51.12.24,福岡地裁小倉S58.4.28)