＃＃ 夏休みの地図 ＃＃

見てきました。
今しか作れない映画です。
原爆投下からまもなく６８年。
三世代に相当する時間の経過。
正確に記憶と記録を引き継ぐぎりぎりのタイミングで
焼け野原と今とこれからをつなぐフィルムが出来ました。
移ろいゆく街の情景に直面したとき
誰しもセンチメンタルな思いにとらわれます。
ここ１００年でもっとも劇的な変貌を遂げた街の一つ，広島。
その町並みの風景は何気ない１カットも実に雄弁です。

少年にとって世界は知らないことに満ちていて
住んでいる街の地図だって満足に書けません。
それでも一歩踏み出せば
人が，街が，少年に優しく教えてくれます。

これからも街は，広島は立ち止まることなく変貌を遂げていきます。
劇中でもありましたがそれは決して悪いことではないでしょう。
大事なことを失わなければ。
地図作りを通して少年が仲間たちと学んだことは
たぶんその大事なことだったと思います。

この映画に出てきた光景の中でも
すでに見られなくなってしまった景色もあります。
一番楽しく見られるのは今だと思います。
是非この夏，劇場に足を運んでみてください。
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